先日帰省した折に、実家で見つけた雑誌『考える人』。
紀行文学とは、僕の好奇心をそそる実に興味深い内容です。
持ち帰ってじっくりと読んでみました。
紀行文学とはいったい何か。
旅行記という単一の主題ならば明瞭ですが、
これは非常に定義が難しい。
とりあげられる人物も多種多様。
日本におけるバックパッカー文化の旗頭といえる下川裕治。
冒険家は嫌いだと言ってのけた『悲しき熱帯』のレヴィストロース。
池澤夏樹はダーウィンとウォーレスから植村直己まで言及し、
湯川豊は、見続けてきた星野道夫を語る。
記録・ルポタージュの要素が常に含まれてくる紀行文学。
そこに「あるべき典型」という答えはないのだと思います。
例えば僕の大好きな開高健も、その中で苦悶し傑作を紡ぎだした一人であり
詩人・金子光晴はもちろん、民俗学者・柳田國男もその一翼だと言えるでしょう。
旅と文字と表現。この関連性を考え直すきっかけとなる、
読み応えのある一冊です。
保存版かな。
D70s+AF35mm/F2.0
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