かつて何度も通った森を、久しぶりに歩いてみた。
ヒグマの気配はない。
どうすれば彼等をファインダー内に覗けるか。
季節と場所を少しずらせば、確率は飛躍的に上がる。
それはもういい。それはもうわかった。
少なくとも、今、この場所ではそうではない。
待ち伏せるということではなく、
偶然の重なりで出会うということを
どこかで求めている自分に気づく。
偶然に期待した、完全に安全ではない、
大きな動物との森の中での出会いは、
撮影という行為には相反するが、
自然を感じるという行為において
その純度は最たるものの一つであるはずだ。
今はなんだかそんな気分だ。
色々なものに汚れてしまった気持ちも思い出も
避け続ける必要はないのかも知れない。
ずっと避けてきたが、
森は、そんなものを見てはいないし、
僕たちほどは変わってはいないのだ。
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