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机の前にたまっている仕事を放り出して
ほんの少しだけ山に入った。
目的はカモシカではなくて
遠くの崖を、雪の中歩いていくシカの姿だった。
最初に出会ったのはサルだったけど。
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カメラは2台。
いつものコンパクトな望遠レンズ。
もう一台は街中で最近よく使っている
MFのオールドレンズにしてみた。
これが、どうも良かったらしい。
何か具体的な収穫があったわけでは無いけれど
感覚が、新鮮だった。
何も追わないという精神状態が良かったのかもしれない。
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僕は山の中では、
動物という撮影機会の少ない被写体を追うことで
撮るという行為において、
機械任せの簡略化をし過ぎているのではないか。
と思った。
いつもは、もちろんこうはできない。
刹那に訪れた貴重な機会を、逃すことはしたくない。
しかし時々は、ゆっくりとした山歩きの中で
撮れるものをとり逃がしたり
撮ることを忘れてしまったり、
もしくは動かないものを撮るように
緊張感なくゆっくりと撮影に臨んだり、
してみる必要があるのではないかと思った。
また今度やってみよう。
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シカは、予想どおりの断崖にいてくれた。
ここにいるだろう。
ここにいるだろう。
そう思いながら足を向けることが増えてきた。
この山との付き合いも、もうずいぶんと長くなった。
そんな風に思いながら、きっと僕はこれからも年をとっていく。
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天気の良い、嬉しく
のんびりとした昼下がりになった。
ありがとう。
Nikon D850 + Ai Nikkor 35mm/f1.4s
Nikon Z9 + FTZII + Nikkor 500mm/f5.6 PF
Nikon Z9 + FTZII + Nikkor 500mm/f5.6 PF
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