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生活の環境が変化して、
足もとにあった様々なものとじっくりと向きあい、考え直すようになった。
僕は今しばらくは東京を離れられない。
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僕は東京という街が好きで、嫌いだ。
色々なものが集まって(そこには野生動物すら含まれる)混沌とし、雑多で、時に美しい。
この街の好きなところだ。
南米から来日する僕の大好きな歌手だって、東京じゃないと日本では見られない。写真展も同様だ。
反対に、満員電車でお年よりを押しのけて席に座ったり、
泣く赤ん坊に舌打ちをするような余裕のない人間たちを間近に見ることは、
僕はたまらなく嫌いだ。
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好きも嫌いも。気が付けば2度目の東京生活が始まって10年が経っている。
その生活は今しばらく続く。というよりも、より東京に張り付いて生きていくことになりそうだ。
ヒグマはいないが、被写体には事欠かない。
カメラは手元に置いておこうと思う。来年は良い年にしよう。
東京を離れて被写体を追うとき、今の気持ちを忘れないように。
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足もとに転がる灰色の石の、鈍い光に気づく眼差しがあれば
遠くに咲く鮮やかな花の美しさを、より優しく写しとることができるようになるだろう。
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あの大きな、力にあふれたヒグマの体躯を見るように、
電線にとまる小さなスズメや擦過する巨大な鉄の塊、
交差点を埋め尽くすラッシュアワーを眺めていたい。
Nikon D5 + AF-S Nikkor 500mm f/4E FL ED VR + TC-14E II
Nikon D700 + AF-S Nikkor 50mm f/1.8G
Sony α7RIII + SEL2470GM
Sony α7RIII + SEL55F18Z
Sony α7RIII + SEL55F18Z
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